朝凪の巻

訪れに浸る暇もなく、あっという間に夏が足元まできてしまった。
夏がジリジリと近づいてくるあの高揚感でさえ、まるで感じる暇がなかった。
何かと忙殺され、音もなく流れていく時間の波に気づかぬうち飲まれている。
侘しいものだ。
充実していればしているほど、時間なんてものは激流のごとく流れ去っていく。
暇なら暇で不自由だと嘆き、忙しければ時間がないと文句を垂れるのだから
人間なんて本当に都合のいいものである。

1日はどう足掻いても24時間しかなくて、その中で充実を得ることは大変難しいことだ。
「充実」なんていう曖昧な言葉で人生の価値が決まる訳ではないが
やはりできる限り有意義な時間の使い方をしたいものである。
仕事も含めて人生が充実している人間などごく僅かであろう。
「明日からまた仕事が楽しみだ」なんて思える人間は果たしているだろうか。
「女の乳を揉む仕事」とかそんな仕事があるなら話は別かもしれんが、
どれだけ好きな仕事をしていても、それが生涯通して常に「楽しい」と思えることは珍しい。

充実しているか?と問われれば、私自身は「充実している」と答えるが
それを疑問に感じる自分がいることも事実だ。
誰かと比べる訳でもなければ、どういう基準で充実しているのかもわからない。
しかし、少なくとも好きなことを存分にできている人生には違いない。
独り身の間の贅沢かもしれんが、好きなことができることこそが私にとって充実した生活のキーポイントである。

社会で生きていれば我慢しなければいけないことは多々あるものの、
人生を擲ってまで我慢する必要などない。
その我慢の先に何があるのかを考えた時、納得できる道を進むべきだ。


ウッシー

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