謹賀新年の巻

謹賀新年。
殊更に挨拶したところで、コイツは正月早々コラムを書くほど暇人なのかと思われるのも癪ではある。
まぁ事実、暇なのだが。

 

ここ数年、周りの友人知人が段々と結婚しだしたのを皮切りに、
年末年始は自宅で大人しく過ごすようにしている。
朝までドンチャン騒ぎをするような歳でもないし、
食事に誘ってみても「家族と過ごすから」なんて言われて
妙な罪悪感と閉塞感に苛まれながら年末を過ごすのは御免だ。

暇といえば暇だが、これこそが贅沢な時間なのだろうと実感する。
予定も何ひとつ入れず、しばらく時間を好きなように使えるのだから、
これ以上に幸せなことはない。

 

休みの日でも普段より早起きして遊ぶタイプだし、
まったく予定のない一日というのは、一年を通して実は少ない。
だからあまりにも暇だと「どこか遊びに行かなければ」と
妙な強迫観念に迫られるのだが
年末年始に限っては、とことん暇を持て余そうという次第である。

 

下らないテレビ番組も、見飽きた映画も読み飽きた小説も、
心なしか早春の麗しい気配と相まって、私の胸の奥をすっと撫でるように
退屈さを紛らわせてくれる。

しかし、この長い休みが終わっていく虚無感というのが頭の片隅にずっとあって
夏休み終盤の学生のように、どこか落ち着かず、
変な焦りを感じながら幾許もない新年の夜を静かに過ごしているのだ。

 

結局、実家へ帰省することはなかった。
正月だからと、変に畏まって息子面するのも気が引ける。
お年玉をくれるなら話は別だが、そんなこと言おうものなら蹴り出されそうだし、
寧ろこっちがせがまれそうで油断できない。

この歳ならば、それなりの金額を渡して
「のんびり温泉旅行でも行ってこい」と親孝行の一つでもするべきなのだろうが
生憎、そんな金も心も持ち合わせるほど人間できていない。

 

さて、日常生活に戻ってしまう前に
もうしばらくこの気鬱な休日を味わうとしよう。


ウッシー

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